「これが世界樹か…なんて大きな…」
ユグドラシルとも呼ばれ、大地に深く深く根を張り、渦を巻きながら空の彼方まで伸びる大きな大きな一本の木。
その木の中にはこことは別の世界が広がっているといわれています。
「あの木の上にある丸いところが別の世界なのかな?てことは世界って丸い形をしているのかな?あの場所に立ったらいったいどうなるんだろう?青いところはもしかして水?あっちからこっちは見えるのかな?」
猫の頭の中にたくさんの疑問が浮かんでは思わず口からこぼれ、それでもわくわくして自然と笑顔がこぼれます。
そして猫がきらきらした目で見上げる世界樹の周りには、これまた大きな街が作られていました。
「まずは右に見える塔へ行って、そこにある世界渡航ギルドで通行証をもらわないと。申し込みに必要なのは、これまで集めた『世界渡航スタンプ』に、通行料の『金貨』、それと先生からの『紹介状』か。…よし、全部ちゃんとあるぞ。」
世界樹の中の世界へ行くのは簡単ではありません。
様々な国や街へと旅をして、そこでもらえるスタンプを10個集めないといけないし、いくらかのお金も必要です。さらに強い力を持つ特別な魔法猫に紹介状を書いてもらわないといけません。
それだけ世界樹の中の世界は危険でもあるということでしょうか。
これらを全て集めることができたしっかり者の猫だけが、その中へと入ることができるのです。
「うーん、強いモンスターもいるらしいからちょっと怖いけど。向こうの世界には見たこともない魔法の鉱石やお宝なんかもたくさんあるんだよな。」
…ずっとこのために頑張ってきたんだ、引き返しても仕方ない!
不安と期待で少し迷いながらも、猫は足早に歩き始めました。
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